三日とろろは、四日とろろ。

そうこうしている間に時の狭間に落っこちてしまいました。
先立つご学友の背中に私は、恐怖と安堵のカ・フェオレを頂いた心地です。
大変おいしゅうございました。


そうこうしている間に春がやってきてしまいました。
日本人の心に古来より在ります桜に、「ガチ」という遠くの国の言葉を結びつけた若者がマイクに向かって叫んでいます。
ほとばしる情熱と、飛び散る飛沫の美さは私の言葉では語りつくせぬ程。
大変おいしゅうございました。


そうこうしている間に、全ては始まり、そして終わっていくことでしょう。
卵が先でも鶏が先でもなく、全てはあとの祭りでございます。
ならばせめてあの祭りに行っておけばよかったと、辛酸舐めるのが私の最先端なのでしょう。
大変おいしゅうございました。


私は最早、疲れて走ることが出来ません。
せめて代々木様、もしくは河合様の元でひっそりと暮らしてみたかったと、あの日の祭りを懐かしく思う毎日です。


ただそれだけも言っていられないのが世の常。
走れなくとも歩いてでも参らなくては行けないと、誰かが耳元で囁くのです。
故に私は「もう一度」を繰り返して、白地のスニーカーを汚していくのでしょう。
もう脱いでもいいだろう、と囁いて下さる誰かに出逢うまで。


独り言、大変おいしゅうございました。