マツオカシロウさん。
失くしたかもしれないと焦っていたTSUTAYAのDVD。
店員さんはスマイル浮かべて言う。「ご返却していただいています^^」
返してくれたのは、マツオカシロウさん。
僕じゃない、僕じゃない。
出席日数が足りないと思っていたとある授業。
教授は目を細めて言う。「ちゃんと出席しているじゃないか^^」
代返をしてくれたのは、マツオカシロウさん。
僕じゃない、僕じゃない。
風邪で寝込んでキャンセルした彼女とのデート。
彼女は頬を赤らめて言う。「この間は楽しかったわ^^」
素敵な時間を演出したのは、マツオカシロウさん。
僕じゃない、あゝ僕じゃない。
知らない思い出が増えていく。
知ってる記憶が減っていく。
たしかにあいつは僕だけど、僕はあいつじゃないんだろ。
1°だけ傾いた平行線が、いつかの未来でこんにちは。
1度移ってしまったら、戻らないのがサーブ権。
レシーブばかりを続けても、戻らないのさサーブ権。
僕の知らない誰かさん。
それはマツオカシロウさん。
僕が知らない誰かさん。
それがマツオカシロウさん。