金の谷のヤワラカ





『金の谷のヤワラカ』




長きに渡って無秩序な金の採掘で繁栄を続けた「金の谷」も遂に神の怒りに触れてしまったらしい。
神は生物や昆虫を意のままに操り、谷の人々を、住処を襲う。数日も経たずして、谷は荒廃してしまった。
更に神は人々を根絶やしにせんと、最終兵器として「不況王蟲(フキョーム)」を送り出そうとしているというのだから人々はもう大変。
こいつが訪れた土地に必ず金融危機、災害、不作、疫病、機能不全をもたらし、ついでに金曜ロードショーを土曜に変えてしまうという。
それはならぬと人々は知恵を絞り、1人の女戦士に谷の未来を委ねることに決めた。
女の名はYAWARAKA。白き衣装を身に纏い、世界を6度と収めた戦闘力を武器に持ち、巨人と金(きん)を愛して止まない。でも「ペキン」は嫌い。
「旦那にレギュラー」を条件にこの依頼を受けたYAWARAKAは迫りくる不況王蟲(フキョーム)をひょいと一本背負い
審判が勢いよく金の旗を上げて、あっさりと勝ってしまった。
人々は歓喜し、YAWARAKAに恩を返さんと宴を開く。
「偉大なる戦士様よ、至高の味をとくとご賞味くだされ」と、差し出したのは北京ダック。
YAWARAKAの怒りに触れた谷は再び暗黒の時代に突入したとかしないとか。


一方その頃、どこか別の谷で高地トレーニングに興じていた一人のランニングジャンキーは笑顔で言った。
「もう金とかどうでもいいじゃん、みんな走ろうよ!」







高橋尚子のマラソンしようよ!

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Yawara! (1) (小学館文庫)

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