羅列2







眠れない夜の朝は早くて。
とはいえ早朝に起きることも珍しい怠惰な身分なので、ひょいと近所を散歩してみることにした。




現在の根城は駅から程なく近くて、利便は良し。
けれど、おはようからおやすみまで小豆色の電車が線路を這う音がする。
まあ不思議と慣れるものです。



「朝を待つホームの静けさに」





「プラットホームに臨む道」




駅の近くにある小さな公園には、特に噴射はしない噴水があって、所在なさげに股間をまさぐる子供たちがいた。
「トイレに行きたいな」
「けど水は流れないんだ」
「おかしいよな、俺たち、小便小僧なのにな」





「囚われの子供たち」



その道すがらの公道に、紫陽花が咲いていた。
30度の真夏日が続く6月に咲かざるを得ない彼らにはひどく同情する。
「話が違いますぜ、親方!こんなに暑いって聞いてないですよ」
この世はとかく想定外。




真夏日に笑う6月の君」





気づけばもう夏の気配。
地デジが終わるよりも早く、夏を捕まえに行こう。