日記

ギブユーチョコレイト

スーパーでレジ打ちをしている。 今日のことだった。 僕の立つレジ台に一人の老紳士がやってきて僕に訪ねた。 「アルファベットチョコはありませんか?以前はあったんだが、今日はどうも見当たらなくて…」 「アルファベットチョコ」とは老舗・名糖産業が販売…

羅列4「透明な傘の上に雨が咲いた」

大貫妙子さんが1978年に発表した「都会」という楽曲がある。 この歌詞に七夕の日の心は囚われていた。 華やぐネオン、眠らない街に踊る人々を横目に「私」は凛と告げる。 「その日暮らしは止めて 家に帰ろう 一緒に」 1978年といえば日本が鰻登りの夢を見て…

羅列3「目覚めると僕は英語を話せるようになっていた」

目覚めると僕は英語を話せるようになっていた。 そんな夢物語は夢の中でも訪れそうにないので、ここはひとつ奮起してみることにした。 「私、英語ペラペラになります計画」 大きな目標としては、この2つ。 ■日常会話を英語で嗜める程度の英語力を身につける …

羅列2

眠れない夜の朝は早くて。 とはいえ早朝に起きることも珍しい怠惰な身分なので、ひょいと近所を散歩してみることにした。 現在の根城は駅から程なく近くて、利便は良し。 けれど、おはようからおやすみまで小豆色の電車が線路を這う音がする。 まあ不思議と…

羅列1

ブログを書くとはひどく小っ恥ずかしいもので、世界に蔓延る蜘蛛の巣に自らの言葉を貼りつけたとしても誰にも読まれずじまい。 往々にして迎える結末はひどく寂しいものである。 私とて、この文章とて例外ではない。 物陰から覗く自己顕示欲も、灰色の吐息を…

耐えがたくも甘い季節に

5階の講義室の窓から、秋が揺らめいていた。 ついついと大きな欠伸をする。 先程から講義の内容は全く頭に入っていない。 宙ぶらりんの23歳が過ごす、昼下がり。 今日こそは小春日和。 先週末はずっとずぶ濡れの泥だらけになっていたというのに憎いもので、…